はじめに
中古物件の内覧は思ったよりも難しいもの。大切な物件探し、失敗することは出来るだけ避けたいでしょう。
たくさんの情報の中からお気に入りの物件を見つけ、内覧に訪れます。第一印象も良く好感を持った場合、プラスの点にばかり注目し大切な情報を見逃し後悔する可能性もあります。
事前に内覧時のチェックポイントをまとめて現地に行ったはずなのに、ちゃんとチェックできていなかったなどの点に着目し、失敗しないための注意点や、見落としのないようにするための心得などをまとめました。
内覧時の心得と注意点
どのようなことに注意すればよいのかをその対処方法から考えてみましょう。具体的に注意しなければならない点は「建物のゆがみや傾き」「雨漏り」「シロアリ」「主要な構造体の腐食」「給排設備」「建物の外周」「敷地の境界」などが挙げられます。物件に瑕疵がないかどうかを見逃さないように注意しなければなりません。
匂いをかぐことで解ることがある
匂いでなにが分かるの?と疑問に思われるかもしれません。不動産業者の方は物件に入った瞬間に匂いをチェックするのだそう。嗅覚は数分でその場の匂いになれてしまい、匂いがわからなくなってしまいます。順応するまでに、カビ臭や下水臭、生活臭が強くないか確かめます。
カビなどが発生している原因には、水回りの不具合などがあります。これらによって、シロアリの被害や、主要構造部材が腐食している可能性もあります。
匂いが壁などに染み着いている場合は清掃などでは簡単に取り除くことが出来ません。壁紙や、壁の下地材の交換が必要になる場合もあります。
ぼくたちが購入した物件を内覧したとき、不動産業者の方はぼくたちよりも先に物件に到着し、冬であるにも関わらず、ありとあらゆる窓を全開にしてから、案内してくれたんだ。
今から考えると、物件の匂いを紛らわせるためだったのかな。
引っ越してから、下水管のクリーンパッキンの不備や、キッチンの油の匂い、湿気によるカビ臭があることに気づいて、クリーンパッキンを設置したり、隅々まで清掃したけれど、匂いを完全に取り除くことはできなくて、結局、壁紙や床を張り替えなければならず、大きな出費となったんだ。
隅々まで歩く
自然に部屋を見ながら歩き、床のきしみがないか、歪んだり、傾いたりしていないかを確かめます。
床がきしんだり、不安定な場合、床下の構造体の木材が湿気によって劣化している可能性があります。シロアリが好む環境でもあるでしょう。
また、床が傾いている場合、建物自体も傾いている可能性がありますので、注意が必要です。
ぼくたちが購入した物件の内覧のときには床がフワフワしていることに気づくことができなかったんだ。後で、床下の補修費用が必要となったよ。
天井の目視も忘れずに
天井や床に染みがないか確認します。染みがある場合は、雨漏りや、小動物の侵入の可能性があります。雨漏りの場合は、屋根の修理や吹替えが必要でしょう。
小動物の場合は侵入経路を特定し、そこを塞ぐと共に、屋根裏の清掃、消毒が必要です。
ぼくたちが購入した物件で、内覧時に天窓付近の壁紙がはがれていて、雨漏りが疑われたんだ。実際には雨漏りではなく、結露によるものだったんだけれど、天窓を取り除く工事と屋根の一部吹替えと屋根全体の塗装を行ったので、大きな出費となったんだ。幸い補修のための見積もりを内覧後すぐに取ったので、価格交渉の根拠になったよ。
物件の外回りもチェックも忘れずに
物件の中ばかりに気をとられがちですが、外回りも非常に重要です。建物の基礎にひび割れがないか、外壁の状態、排水の経路、道路に接しているか、境界の位置なども確認しましょう。
また、四季を通じて何度も内覧することは難しいので、季節や、天候によってどのような環境にあるのかを確かめる必要があります。
雨天時の水はけや、敷地内にある木の状態、寒冷地では積雪量や、凍結対策、接道の除雪の有無、敷地内に雪を捨てる場所があるか、海沿いでは台風の影響や、塩害などについても、不動産業者の方に確認を行ったほうがよいでしょう。
田舎暮らしには自然の魅力がたくさんありますが、その反面、都会では想像もできない驚異も存在します。事前に環境を把握することで、慌てることなく対処する事ができるでしょう。
ぼくたちが移住した寒冷地では、雪が沢山積もるので、雪かきがをしないといけないんだけれど、雪かきで出た雪を置いておく場所が必要なんだ。雪かきでは近隣とのトラブルが発生しやすいみたい。例にもれずぼくたちにもトラブルが発生したんだ。詳しくはまたね。
それ以外にも、庭には樹齢52年の赤松の木が建物の屋根に大きく被さるかたちであったんだけれど、風が強い日には揺れて危険なので、業者の方にお願いして、伐採してもらったんだ。予想外の大きな出費になったんだ。伐採業者の方が言ってたんだけど赤松は倒れやすいんだって。
一番大切なことは平常心を保つ
正常な判断を行うには平常心を保つことが大切です。大切な場面で冷静でいられることは非常に難しいことでもあります。平常心を保つために深呼吸をしたり、窓の外など遠くを眺めるなどし、「客観的な視野を取り戻すためのアクション」を取ることで、冷静さを取り戻すきっかけにするとよいでしょう。
大切な場面において、一人ではこのアクションを取ることさえ思い出せない可能性が高く、二人以上で行動し、お互いに声を掛け合うことで、冷静さを保つことが出来る可能性が高くなります。
平常心を保つことで、物件に対する客観的な判断ができるようになり、そこで、生まれた疑問点などは飲み込まず聞いてみることが大切です。
後悔しないためにも平常心を保ち、冷静で客観的な判断ができるように「アクション」を活用してみてはいかがでしょうか。
ぼくたちは車で10時間かけて内覧に訪れたんだけれど、希望と疲れで気持ちが舞い上がってしまって、確かめるべきことも、確かめられなかったんだ。結局、もう一度、内覧に出かけたんだけれど、それでも、あの時にちゃんと確かめていればって、心残りが沢山あるんだ。
だから、少しでもみんなの物件探しの手助けになればいいな。
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