【格安物件探し】不動産業者とのバトルから学ぶこと

不動産

はじめに

 中古物件を購入するための内覧時の心得や実際にあった不動産業者とのやりとりから学ぶことを、経験談もまじえて考察しました。これから物件を探す方、田舎暮らしを考えている方などの参考になると思います。
 奈良県に住んでいた私たちは移住のために物件探すこととなりました。予算も限られていたため、格安物件をDIYでリフォームする予定でした。しかしながら、格安物件さがしに協力して下さる不動産業者は少なく、物件探しは困難を極めました。最初に検討した物件は和歌山県で、次に淡路島、三重県、岐阜県、長野県、新潟県と北上し、最終的に群馬県の片品村へ移住することになりました。この過程でいくつかの不動産業者とのやりとりでの経験を、現在移住を検討されている方や、物件探しをされている方の参考になればと思います。
 

不動産業者が格安物件を敬遠する理由

 不動産業者が物件の売買を仲介した場合には、仲介手数料を支払う必要があります。この手数料は不動産業者の利益となります。仲介手数料は宅地建物取引業法によって定められた上限額があります。この上限額は物件の価格が高ければ高いほど大きくなるので、安い物件ほど、業者にとって利益が少なくなるのです。
 このような理由で、不動産業者が扱う物件が掲載されている不動産売買サイトには格安物件がありません。以前は、格安物件を売買することは非常に難しいことでした。
 しかし、DIYブームによる格安物件の需要増加によって、それらの情報を専門に扱うサイトが次々に誕生しています。
無料 物件」などのキーワードで検索すると、格安物件を扱うサイトや、それらのサイトを紹介する記事をたくさん見つけることができるようになりました。

実際に検討した物件で体験した事

 家探し初心者だった私は、不動産業者の方々とのやりとりに適切に対処することができませんでした。自分の知識不足で、余計な時間や労力が必要となったことや、実際に起こった家探しの問題を共有することで、家探しの参考になれば幸いです。

和歌山県別荘地~ここに住むの?やめた方がいいよ・・

 和歌山県の別荘地にある物件を内覧しました。内覧は私たちにとって初めての経験でした。物件の敷地は約1200㎡ほどで、床面積140㎡のログハウス。最寄りの駅で不動産業者の方と待ち合わせて、車で物件に向かいました。不動産業者の方は不機嫌で案内したくないような印象を受けました。積極的にセールスするものだと勝手に思っていたので少し驚きました。市街地から車で20分程度走ると別荘地への入り口に到着し、そこから急こう配の道を上り物件に到着。図面や画像の印象とは全くかけ離れたもので、急な斜面に雑草が生い茂る中、ログハウスはありました。土地の境界線について尋ねると、分からないと回答。中に入ると不動産業者の方は言いました。ここに住むの?やめた方がいいよ。壁も隙間だらけだし。
 そんな風に言われても私は何か良い点がないかを探そうとしていました。そこからはあまり記憶がないのですが、何とも言えない空気のまま物件を後にしました。
 無知な私たちは、不動産業者は安い物件を扱う事を嫌う傾向にあると知り、サイトに掲載されていた写真は別荘が出来た当時のものでした。

淡路島の古民家~案内を断られ…

大手不動産サイトに掲載されていた淡路島の古民家を見るために、現地の不動産業者を訪れました。
事前に連絡をしておいたのですが、鍵がないから案内できないと断られました。しかたなく他に良い物件などあれば紹介してはもらえませんかと尋ねると、不機嫌そうに分厚いファイルをめくり、ご希望に添えるような物件はありませんね。そう言って、不動産業者の方は自分のデスクに戻りました。
とても怖かったことを覚えています。仕方がないので、自分達も家に戻りました。
せっかく、淡路島まで来たのに観光でもすればよかったのですが、とてもそんな気にはなれませんでした。
 前回に引き続き、低価格の物件は案内してもらえないことを確信しました。今から考えると、淡路島は広いので、物件まである程度の距離があり往復するには時間がかかるため案内したくなかったのではないかと思います。

岐阜県 栗の木で作られた古民家~売主さんと不動産業者の方が知り合い

岐阜県の古民家の内覧に訪れました。不動産業者の方は準備も万全で、すぐに案内して下さいました。
これまでとは違い、印象も良く自ら説明していただけました。売主の方の職業の話や古民家で何をされていたか、セルフリフォームの状況など細かな説明だったのですが、売主の方と親しい関係の様でした。
古民家の状態はというと、骨組みはしっかりしていたのですが、リフォームが必要で、価格は900万円と周辺の相場よりも高めでした。価格交渉を打診したのですが、売主の方と交渉することはできませんでした。
不動産業者が売主と親しい場合、価格交渉は難しいということが分かりました。

岐阜県 ログハウス~買い手の補欠候補となる

岐阜県のスキー場の近くにあるログハウスが気になり、不動産業者へメールをし、内覧の申し込みをしました。電話で連絡があり、購入の意思を確認されました。購入の意思と、内覧させてほしい事を伝えると、2週間ほど待ってほしいとのこと。2週間後に連絡をすると、先客があるから、しばらく待ってほしいとのこと。私の想像ですが、内覧を申し込んだ時期が3月だったので、雪がとけるまで案内をしたくなかったのではないかと電話のやり取りから感じました。4月に入り不動産業者の方から物件に案内できるようになったと電話があったのですが、別の物件を検討していたので、丁重にお断りしました。
不動産業者も買い手を選別します。私たちを補欠に取っておきたい気持ちは分からなくはないですが。

長野県 ペンション①~700万円が100万円にディスカウント

 長野県の峰の原高原にあるペンションに内覧に向かいました。前日から物件の周辺にあるペンションに宿泊したのですが、不動産業者の方から電話があり、明日は内覧が出来なくなったと言うのです。理由は雪かきが必要だからと言うこと。
 遠方から前乗りで来ているので、諦められず、その旨を伝えて、渋々案内してもらえることになりました。当日、築35年の物件に入ると、持ち主の家財道具が残されており、35年の生活が感じられ、切なくなりました。
 建物の床はひどく傾斜し、天井が抜けて、雨漏りがありました。この物件の情報欄には即時開業可能と書かれてありました。マイナスの情報は不動産サイトには掲載しないようです。
 不動産業者の方は100万円でもよいので購入しませんかと尋ねられましたが、丁重にお断りしました。この時以降はサイトの物件情報を鵜呑みにするのではなく事前に瑕疵がないかを電話で確認してから内覧の予約を入れることにしました。

長野県 ペンション②~長期空き家物件

前回のペンションの不動産業者とは別の業者に、同じ峰の原高原にあるペンション二軒目の内覧に向かいました。北向きの傾斜地にある物件で、急斜面を上り、玄関に到着。土砂崩れで風除室が完全に壊れていましたが、玄関ドアは無事だったので入ることはできました。中に入ると動物のフンなどが散乱していました。不動産業者の方は去年までオーナーがお住まいでそれ以降も管理もされているとおっしゃられましたが、壁に掛けられていたカレンダーは7年前のもの。あえて指摘はしませんでした。風除室が崩れ落ちていること、長い間空き家だったことは物件情報サイトには掲載されていませんでした前回と同様に事前に電話で詳細を確認するべきだったと思います。

群馬県 ペンション③~好印象がゆえに客観的に判断できない

群馬県の前橋市にあるビジネスホテルで一泊し、群馬県のペンションを内覧しました。外観内装共にアーリーアメリカンでこれまで内覧した物件とは違い、写真と実物が同じでした。以前に内覧した物件の悪いイメージがあったので、かなりの好印象で、舞い上がってしまい、隅々まで確認できませんでした。雨漏りの疑いや下屋に雪によるへこみがあるなど問題もあったので、修理の見積もりを不動産会社の方にお願いして、検討することになりました。
 この物件を購入することに決めたのですが、確認が不十分だったので、後日改めて内覧に向かうこととなりました。
 客観的に物件をチェックすることの難しさを痛感しました。

群馬県 ペンション④~不動産業者の方が約束を忘れて現れない

群馬県のペンション③の内覧を終え、次の物件を別の不動産業者の方に案内してもらいました。
現地で待ち合わせだったのですが、約束の時間になっても業者の方は現れません。驚いて、連絡すると、「本当に来られたんですか?今日は行けません」とのこと。腹立ちをおさえてなんとか来てもらえるようにお願いし、1時間後に不動産業者の方が到着。約束を忘れていたことの謝罪もないまま、私の自動車を見るなり、「けいよん(軽自動車)で奈良から来たんですが?」と聞かれ、さらなる腹立ちを抑えて、案内を促しました。3年前に外観の修繕と、ボイラーなどの設備を入れ替えたようで、内装のリフォームを行うだけという状態でした。欠点は不動産業者の振る舞いと、建物が大きく傾いている事でした。これまでの内覧の経験で、事前に建物が傾いたり瑕疵がないかを問い合わせていたのですが、「傾いたりはしていないので安心して来てください」とのことでした。事前に問い合わせても本当のことは教えてもらえない場合もあると分かりました。

長野県 ペンション⑤⑥~物件探しは自分で

長野県の車山高原にある古いペンションを内覧しました。不動産業者の方と車山高原スキー場で待ち合わせて、現地に向かいました。内覧時も営業を続けており、オーナーが部屋を案内して下さいました。
傾斜地に建てられており、周辺に大きなホテルを建設した際に、地盤が傾いたとのこと。
建物が若干傾いている事は物件情報にも記載されていたのですが、自分たちの想像以上に傾きがあったので、断念することとしました。
 同日、同じ不動産業者の方に白樺湖付近のペンションを案内して頂きました。鍵がないので外観と説明のみでした。業者の方はこちらの物件は修繕費用がかなり必要であるのでおすすめできないとのこと。諦めることとなりました。
 蓼科周辺の物件を取り扱っている業者であったので、何か良い物件があれば、連絡を下さいとお願いしたのですが、最終的に連絡はありませんでした。
 よく考えると、良い物件があれば何もしなくても売れるので、私のところに連絡が来ることはないのです。

まとめ 経験から解ったこと

  1. 良い物件はすぐに売れてしまうので、迷わず内覧する。
  2. 良い物件を不動産業者に紹介してもらうことは難しいので、こまめに情報をチェックする。
  3. 物件情報と実物件は違う場合が多い。
  4. 不動産業者は買い手を査定するので、購入意思を明確に。
  5. 物件情報には売り主に不利な情報は載せないので、事前に瑕疵がないか確認しなければならない。
  6. 物件内覧の予約は出かける前にもう一度念を押す。

 物件情報と実物件の差は非常に大きく、意図的に瑕疵を載せていないと疑われるものもありました。前日や当日に内覧のキャンセルを申し出る業者もあるので、注意が必要です。
 都心部での家探しとは少し勝手が違いますが、良い物件を購入するためには、自分たちで柔軟に対応する必要があると思います。
 こまめに物件情報をチェックし、自分たちのニーズに合った良い物件を購入するためには、素早い決断が求められる場合もあります。客観的で正しい判断ができるように、準備することで、良い物件を購入できる可能性も高くなると思います。

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