災害のリスクに備えるため、ハザードマップの活用が注目されています。引越しや移住の物件探しをするときに、災害のリスクが少ない場所かどうかを判断するために役立つものです。
住みたい場所に災害のリスクがあるかどうかをハザードマップで確認することは難しくありません。
しかし、そのリスクをどう判断するかが問題になるでしょう。
例えば、リスクがある場所にもたくさんの物件が存在します。リスクの対象地域である場合どうすればよいのでしょうか。
災害の地理的条件を考えることで、ハザードマップを活用するコツを紹介したいと思います。
※ハザードマップは国土交通省のハザードマップポータルサイトで確認することができ、使い方についても詳しく解説されています。
気になる災害リスクと発生する場所は?
最も気になる災害リスクは水による災害でしょう。水による災害には洪水や土砂災害などがあります。
しかしながら、本来、私たち人間は水の周りで生活をしています。これは生活に水がなくてはならないからにほかなりません。
人々は水辺に町を形成する
山岳部では谷筋に、平野部では田園付近に、集落が作られ、町が形成されて行きます。谷筋では土砂崩れや土石流、平野部では洪水や高潮が起こる可能性があります。元々はどちらの地形も水による浸食によって形成された地形であるため、それらのリスクが今後発生する可能性はそれ以外の地域よりも高いことは明白です。
利便性と安全性を備えている場所
水辺の地域では人が集まることで、利便性が高く、生活するためにはとても魅力的です。
特に平野部では病院や学校などのインフラはもちろん、それらを支えるための仕事も充実しています。これらの住環境を災害から守るためにダムの設置や河川改修を行うことによって災害からのリスクを低減させる取り組みが行われています。
より良い住環境を
では、ハザードマップにある、リスクの対象地域へは住むことはできないのでしょうか。ハザードマップポータルサイトにはハザードマップの活用方法が次のように示されています。
・避難ルート、避難方法の検討
・自宅付近の災害リスク確認
・浸水対策の検討
・地震対策の検討
これは災害が起こった時にどのように対処するかを考えるためのものである事が分かります。
もちろん、リスク回避のためにハザードマップにある該当地域に住むことを避けることもできます。
しかし、人々が本来生活している場所はその性質上災害リスクの高い場所が多く、その場所を避けることができない場合もあります。そのような場合にハザードマップを活用して、災害のリスクを把握し、避難方法やリスクへの備えをしなければなりません。
生活スタイルにあわせて居住地を選ぶこともできる
利便性が高く災害のリスクを低減させた平野部は人気もあり物件価格も高くなってしまいます。
しかし、近年働き方の多様化や、物流及びネット環境の充実によって、注目されている地方移住や田舎ぐらしでは、住居に掛かるコストは抑えることができ、ハザードマップから災害のリスクの低い場所を選ぶことで、よりよい住環境を得ることも可能です。
働き方によっては、利便性をある程度犠牲にすることで、災害リスクの低い場所に比較的低価格で住むことができるのではないでしょうか。
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