実際に都心部から群馬県片品村へ移住した経験を生かし、都心部から地方に移住して驚いたこと、戸惑ったこと5選から学ぶこと。田舎暮らしをする上でトラブル回避のために知っておきたいことをまとめました。
田舎暮らしに興味のある方や、これから移住を考えている方の参考になれば幸いです。
生活費が高くなった
田舎暮らしでの生活費は都心部の時よりも安くなると言う話をよく耳にします。詳しくその内容を見て行きましょう。
主な生活費には、住居、食費、上下水道、電気、ガス、その他光熱費などがあります。
まず最初に、電気料金は地域による特性がないため、田舎と都心部の差はありません。
ガス料金は田舎のほうが高くなる場合が多いでしょう。都市部では都市ガス、田舎ではプロパンガスが多いためです。
次に、上下水道については、上水道は地域による特性があるため、料金に差があるでしょう。また、田舎では下水道が整備されていない地域も多く、それに代わる、汲み取り式や浄化槽などの維持管理料金が必要となります。
食料品についても都心部とは異なる点が多いでしょう。地方では都心部にくらべてスーパーなどの食料品店が少なく、車で遠方まで買い出しに行かなければならない場合もあります。食料品店が少なければ、そこで売られている商品の値段も高くなります。都心部の販売店では他店よりも1円でも安く販売するための熾烈な競争がありますが、田舎では店舗が少ないため競争が起こらず、結果として売り手市場となるためです。
しかしながら、地元でとれる旬の食材は供給量が多いため都心部よりも割安で購入することができます。
最後に、住居費については田舎の方が割安です。これは都心部にくらべて地価が安いからにほかなりません。
田舎暮らしの生活費の内、支出では住居費が大幅に安いために、食費や光熱費などの増加分を補うこととなり、都心部でくらすよりも少し安くなるのではないでしょうか。
忘れてはならないことは、生活費は支出だけでなく収入も含まれるため、トータルで考えなければいけません。
都心部では多くの人が生活しているために、それにまつはる仕事もたくさん存在しますが、田舎では人口が少ないために、仕事も多くはありません。そのため、雇い手市場となりやすく、収入も低くなる傾向があります。
生活費全体で見れば住居費が安くなるが、収入も低くなるので相殺されてしまい、「都心部での生活費と田舎での生活費はあまり変わらない」と言うことになります。
これでは田舎で暮らすメリットが全くないように見えますが、ゆとりのある居住空間や豊かな自然の中で暮らせることは金額では表すことのできない利点ではないでしょうか。
自治会費は都会よりも高額
自治会費は都会よりも高額になる傾向があります。地方の自治会は活動内容が多く人口も少ないために一人当たりの負担する金額が大きいのです。
また、自治会に入会しなければ、ごみ収集場所を使うことができない場合や、高額の入会金が必要なことがあります。
自治会費がどれくらいなのか、移住する前に確認をしておいたほうが良いでしょう。
都心部では転居者を「越して来た方」と呼び、田舎では「移住者」と呼ぶ
都心部では転居して来た人を「移住者」と呼ぶことはありません。しかし、田舎では転居して来た人を「移住者」などと呼びます。これは転居して来た人と先住者とを区別する必要があるため、その呼び名も必要になると考えられます。ではなぜ、区別しなければならないのでしょうか。
その大きな要因の一つとして、産業の違いが挙げられるでしょう。都会では主に商業が中心ですが、田舎では農林水産業が中心です。農林水産業は水利権や漁業権などの権利によって守られています。これは、産業の構造上、限られた水や広い土地、海域をみんなで分け合って生活しなければならないからです。このようなことから、住民同士で普段から協力し支え合う社会が確立されており、転居して来た人はその地域に協力して初めて、権利の分配を受ける資格を得ることができます。
結果として、田舎に転居した人はその地域の先住者に認められるまでの間は「移住者」などの呼称が与えられます。
一方商業中心の都心部では、広い土地や海域はあまり重要ではなく、個々を尊重し、地域で協力する風土も存在しないのです。人はそれぞれ干渉しあうことなく生活や仕事に従事することが求められ、普段それを意識することもありません。
都心部で長く生活していた人が「田舎での全く違う風土」を理解しないまま、田舎に転居すると思わぬトラブルに発展する可能性があるのです。私もその一人だったと思います。
転居した人、先住者それぞれの背景を互いに理解する努力を忘れなければトラブルを避けることも難しい事ではないでしょう。
玄関に見知らぬ人が…
都心部では、訪問先の門柱にあるドアホンよりも敷地内に許可なく入ることはありませんが、地方では訪問者が玄関ドアを開けて中にに入ることもしばしば。鍵が開いたままのお宅も多く、玄関ドアを開けることへの抵抗感は少ないようです。田舎では地区としてのまとまりがとても大切で、助け合って生活しているため、人それぞれの垣根が低く、このようなことも珍しくはありません。
対策としては、玄関ドアの鍵を常に施錠するか、家の中での服装に注意する必要があるでしょう。
田舎暮らし、青空の下で洗濯物を・・・干せない
田舎に移住し、洗濯物を洗剤のCMのように外で干すことを楽しみにしていました。数回は外に干すことを試みましたが、断念せざるを得ませんでした。その原因は
- 花粉で洗濯物が黄色くなる。
- 洗濯物に虫がつく。
- 鳥の糞などが落ちる。
対策として除湿機を購入し部屋干しする、洗濯物干しネットで覆うなどが考えられます。
まとめ
田舎での生活は都心部の生活と環境や風習が全く異なります。そして、この違いが存在する事を認識することで相手を理解することができ、無用なトラブルを避けることができるのではないでしょうか。都心部にも田舎にもそれぞれの魅力があります。地域の垣根を越えてその魅力に触れるための参考になれば幸いです。
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