都会の喧騒から離れ、心安らぐ自然の中での生活を求めて田舎に移住を考える人が増えてきました。
しかし、「田舎での生活は魅力的だけど、仕事はどうすればいいの?」「仕事がないときにどうする?」という疑問を抱える方も少なくありません。
この記事では、
実際に田舎への移住を果たした筆者の経験をもとに、
① 田舎での最適な仕事や、
② 田舎での仕事の見つけ方や、
③ 移住に成功するためのポイントを深堀りしていきます。
自然との共生、地域コミュニティとの絆、そして新しい仕事の形…。都会とは違った田舎ならではの生活の魅力と、そこでのキャリア構築のヒントを、ぜひ本記事を通じて探求してみてください。
移住者が明かす田舎暮らしの魅力
田舎暮らしは、自然の豊かさや地域コミュニティとの深いつながりなど、都会生活では味わえない多くの魅力があります。
ここでは、実際の移住体験から、田舎暮らしの主な魅力について
3つご紹介します。
自然との共生
田舎では広大な自然を身近に感じることができます。
新鮮な空気、澄んだ星空、四季折々の風景は心を豊かにし、ストレスを軽減してくれます。
また、自家菜園を持つことで、自分で育てた野菜や果物を味わう喜びを得ることもできます。
自然との共生は、心地よい生活リズムを築き、健康的な生活を送る手助けになります。
私が移住に踏み切った主な原因は自然環境に憧れた訳ではなく、以前から営んでいたギター工房の移転が目的でした。
しかしながら、移住してみると、自然の中の生活がどれほど日常に影響を与えるかを体感しました。確かに、自然の中には厳しい面もありますが、それを上回るような心温まる瞬間がたくさんあり、私の生活リズムはより良いものになりました。
下記のオナガミズアオの記事は、虫嫌いの私が、きれいな蛾に興味を持ったことを綴っています。
コミュニティとのつながり
田舎では、地域コミュニティとの関わりが深く、お互いを助け合う温かな人間関係が築かれています。地域の行事や祭りに参加することで、地域住民とのつながりを深め、互いに支え合うコミュニティを享受することができます。
このような人間関係は、孤独感を減らし、満足感のある生活を送る基盤となります。
ストレスフリーな生活
田舎では、交通渋滞や騒音など都市部特有のストレス源が少ないため、リラックスした生活を送ることが可能です。また、生活費が都市部に比べて低いため、経済的な負担も少なく、余裕をもって生活を楽しむことができます。
さらに、広い住空間や庭を持つことで、家族との時間を充実させることも可能です。
移住者が田舎で出来るおすすめの仕事7選
田舎での生活は、都市とは異なる職業の機会を提供します。地域の資源やコミュニティのニーズに基づいて、新しいキャリアを築くことが可能です。
ここでは、田舎で可能な仕事のオプションを7つ紹介します。
農業・畜産業
田舎の広大な土地と豊かな自然環境は、農業や畜産業に適しています。有機農業や特定の農産物の生産、家畜の飼育など、さまざまな農業活動を始めることができます。また、地域の農協や農業団体と連携することで、新しい農産物の開発や市場への販路拡大も可能です。
地域おこし協力隊
地域おこし協力隊は、地域の活性化をサポートするために設立されます。地域の特色や資源を活用して、新しいプロジェクトやイベントを企画し、地域の人々と協力して実施することが求められます。この仕事を通じて地域の魅力を再発見し、地域コミュニティと深く連携できます。
リモートワーク
インターネットの普及に伴い、田舎でもリモートワークの機会が増えています。コーディング、デザイン、ライティングなど、多くの仕事がオンラインで行えます。
オンラインの求人掲示板やリモートワーク専門のプラットフォームを利用することで、多くのリモートワークの求人情報にアクセスすることができます。
さらに、リモートワークに必要な技術やツール、コミュニケーションツールやプロジェクト管理ツールの使用法を学ぶことで、リモートワークの求人に対する競争力を向上させることができます。
田舎の静かな環境は集中力を高め、効率的な仕事が可能になるでしょう。
野菜や果物の直売
自家製の野菜や果物を地域の市場や直売所で販売することも、田舎での仕事の一つです。新鮮で安全な農産物は、消費者にとって魅力的であり、定期的な収入源となる可能性があります。また、SNSやブログを利用して、自分の農産物をPRすることも可能です。
ゲストハウスや民宿の運営
田舎の自然や風景を楽しみたいという観光客に向けて、ゲストハウスや民宿を運営することも良い仕事の選択肢です。地元の食材を使った料理や、地域の文化を紹介することで、観光客に独自の体験を提供できます。また、地域と連携して観光ルートを提案するなど、観光資源の開発にも貢献できます。
移住後すぐに、以前から営んでいたエレキギター工房は、コロナウイルスの影響を受け、リスク分散のために出来る事がないか模索しました。
移住のために購入した物件が、ペンションであったため、リノベーションを行い、新しいタイプの宿泊施設をオープンする事を計画しました。
名前は「Hidden Gem Hotel ichimonzi」。
宿泊施設では田舎暮らしを学べる講座なども開催予定です。
地域の手作り品の製作・販売
地域の伝統的な技術や素材を活用して、手作り品を製作・販売することも田舎での仕事の一例です。アーティストやデザイナーなどのクリエイティブな仕事には最適!
オンラインショップを利用すれば、全国や世界中に商品を販売することも可能です。これにより、地域の伝統技術の継承や地域経済の活性化にも貢献できます。
観光ガイド
観光ガイドは、その地域の文化や自然の魅力を訪問者に伝える役割を持つ仕事です。都市部の観光ガイドも人気がありますが、田舎の観光ガイドは一味違った魅力があります。
その地域の魅力を深く知り、訪問者に伝える仕事です。地域の自然や文化を愛している人にとって、観光ガイドは非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。
コミュニケーション能力の高い方、地域への愛情が強い方などにおすすめです。
田舎暮らし仕事がない時どうする?仕事の探し方
田舎暮らしは静かで心地良い環境を実現出来ますが、
仕事の機会を探すことは都市部よりも困難かもしれません。
都会との仕事事情の違いからどうすれば良いかわからなくなるのではないでしょうか。
しかし、アプローチを工夫することで、田舎でも満足する仕事を見つけることが可能です。
以下に、田舎で仕事の機会を探すためのいくつかの方法を紹介します。
私が移住後すぐに感じたことは、都会ではとても貴重なことが、地方では当たり前でありふれた事である場合がありました。野菜がとても美味しかったり、景色が素晴らしいなど、私にとっては驚きの連続です。
この様な地方と都心部との価値観の差にはビジネスのシーズがあるのではないでしょうか。
もし、そのようなシーズを見つけた場合であっても、強引にビジネスを推し進めるのではなく、地域の人々と協力し信頼関係を構築する努力を忘れてはならないと思います。
フリーランスの可能性
インターネット環境や宅配便などの物流が整っている地方では、フリーランスにとって魅力的な環境ではないでしょうか。
そこには、集中に適した環境や、比較的騒音などを気にすることなく作業できる場所、また、それらを低コストで利用する事が可能です。
近年、芸術、音楽、映像などのクリエイティブな業種にはこのような環境が人気となっています。
地域の求人情報をチェックする
地元の新聞やコミュニティの掲示板、商工会議所のウェブサイトを定期的にチェックすることで、地域の求人情報を把握し、可能な雇用機会を見つけることができます。また、地域の雇用センターや職業訓練センターを利用し、地元のビジネスオーナーや自治体の担当者とのネットワークを築くことで、未公開の求人情報にアクセスすることも可能です。
私は移住前から自営業を営んでいたので、移住後、事業が苦しい状況になった時に地域の商工会に相談に行きました。当初の私は、インターネットで多くの事が解決できる時代と高を括っていました。
実際には、資金調達など地域に根差したアドバイスを受けることができ、大変助かりました。
農業や地域おこしに参加する
田舎では農業や地域おこしのプロジェクトに参加することで、地域の経済発展に貢献しながら仕事を見つけることができます。地域の農業協同組合や地域おこし協力隊に参加することで、農業や地域コミュニティプロジェクトに携わり、地域の特産品や観光資源を活用した新しいビジネスモデルを考えることが可能になります。
さらに、地域おこしに関わるイベントやプロジェクトにボランティアとして参加することで、地域のネットワークを構築し、将来的な仕事の機会を拡大することにも繋がるでしょう。
地域おこし協力隊に参加できる人はごくわずかです。
実際に地域おこし協力隊に参加できた方の話を聞き、とてもうらやましく思いました。
私は要件を満たさなかったので応募することは出来ませんでした。
自分のスキルを見極め、着実にチャンスを逃さないように一歩ずつ進む方法が私にとっては良かったのではないかと思います。
田舎での生活スタイルを理解し仕事探しに活用する
田舎での生活は、都市の喧騒から離れ、自然と共に過ごすことができる魅力的な環境です。
しかし、田舎で仕事を探すためには、
新しい生活スタイルと地域の雇用機会を理解することが重要です。
ここでは、田舎暮らしのいくつかの側面と、それが田舎での仕事探しにどのように影響するかを探ります。
生活リズムの変化
田舎での生活は都市とは異なり、自然な生活リズムに従う傾向があります。
例えば、朝は鳥のさえずりに起こされ、太陽が沈むと共に一日を終えることが多いです。
この自然なリズムは、仕事のタイムマネジメントにも影響を与えるでしょう。
田舎でのビジネスはうまく自然環境に溶け込んでいます。
これは主な産業が農林水産業であるために起因するのではないでしょうか。
そのため、地元のビジネスに携わるためには、柔軟なスケジュール管理が必要となるでしょう。
タイムマネジメントの良し悪しはすぐさまコストに反映されます。しかしながら、それらを第一に考えるのではなく、時には柔軟に対応することが大切です。
移住当初は、突然の来訪、予定変更、日程は決まっているが時間はあいまい、などの出来事に戸惑いました。
今では、いつでも対応できるように準備しておくことで、慌てることは少なくなりました。
また、いついつに約束しているのだからと、ただ待っているだけではなく、こちらから積極的にアプローチする事も大切です。
地域コミュニティとの交流
地域コミュニティとの関係は、田舎での仕事探しやキャリア構築にとっても重要です。
地域の祭りやイベントに参加し、地域住民とのネットワーキングを図ることで、地域内での雇用機会を見つける可能性が高まります。
また、地域社会との連携を通じて、地域に根ざしたビジネスやプロジェクトを立ち上げるアイデアも得られるかもしれません。
地方での仕事の依頼は、ほとんどが知人を介して行われます。質の良い仕事は、このようなネットワークを通じて紹介されることが多いです。
その背景には、信頼できる人材を採用したいという思いがあります。したがって、この地域のネットワークに参加するためには、自分自身の信頼度を上げる取り組みが求められるかもしれません。
余暇の過ごし方
田舎では、自然を満喫するアクティビティが豊富にあり、新しいスキルや趣味を学ぶ良い機会となります。例えば、ガーデニングや農作業に関わることで、地域の農業関連の仕事に興味を持つきっかけになるかもしれません。また、地域の自然や文化を活かした観光ビジネスなど、田舎ならではの仕事を探求することも可能です。
移住当初は、見るものすべてが新鮮で、週に一度の買い出しの日に様々な観光スポットを見て回っていました。ただ単に観光するのではなく、そこに暮らす住民としての当事者意識と、都会からの観光客の意識を両方持ち合わせることで、多くの学びを得る事ができ、その後の移住生活や仕事にも役立っています。
田舎移住で絶対に確かめるべき6のポイント
田舎への移住は、都会の喧騒から逃れ、心地良い生活を求める方にとって魅力的な選択肢となっています。
しかし、移住する前に押さえておくべきポイントがいくつかあります。
以下の6つの項目を通じて、田舎移住を成功させるためのキーポイントを解説します。
田舎移住のコスト
田舎移住の際には、住居の購入やリノベーション、生活のスタートアップコストも考慮しなければなりません。また、田舎では都会と比べて物価が安いと思われがちですが、一部の生活必需品やサービスが高くなる場合もあります。事前に生活コストや物価をリサーチし、必要な資金計画を立てることが重要です。
スキルと経験の評価
田舎での仕事の選択肢は都会とは異なるため、
自分のスキルや経験をどう活かせるかをしっかりと考える必要があります。
例えば、特定の分野のスキルが求められる場合や、田舎特有のビジネスチャンスが存在するかもしれません。あなたの持っているスキルや経験がその地域でどのように活かせるのかをしっかりと評価し、必要であれば新しいスキルを習得する計画も立てるようにしましょう。
地域のサービスとインフラの確認
- 田舎でのインターネット環境: リモートワークやオンラインビジネスが増える中、安定したインターネット環境は不可欠です。移住先のインターネットの速度や信頼性をチェックしましょう。
- 物流環境: 田舎では大型スーパーやショッピングモールが少ないため、通販を利用する機会が増えるかもしれません。配送業者の選択肢や配送時間、料金などを確認することが大切です。
- 田舎暮らしでの子育て環境: 子供の教育や遊び場、文化活動など、子育てに必要な環境をリサーチすることが大切です。
- 田舎での医療環境: 緊急時にどのような医療サービスを利用できるのか、近くに病院やクリニックがない場合、どう対処するかを考えることが重要です。また、定期的な診察や治療が必要な場合は、事前に医療機関を確認しましょう。
法律と規制の確認
移住先の地域には、特定の法律や規制、制限があるかもしれません。例えば、土地の利用制限や建物の建築基準など。事前に地域のルールや法律を理解することで、後々のトラブルを避けることができます。
私が移住した地域では「美しい景観を守り育てる条例」があり、リフォームの際に変更する家の外装のカラーを申請しなければなりませんでした。適合しないカラーを使用することは認められないようなので注意が必要です。
地域社会との関わりを理解する
田舎の魅力の一つは、地域住民との深いつながりです。その一方で、新たなコミュニティに参加することには独自のルールや文化が存在することも。地域の伝統や文化、住民との関わり方を理解し、コミュニティの一部として受け入れられるよう努めましょう。
ネットワーキング
地域外からの移住者として、新しいネットワークを築くことは不可欠です。地域のイベントや活動に参加することで、地元の人々とのつながりを深めたり、新たなビジネスの機会を見つけることができます。積極的なネットワーキングで、充実した田舎生活を手に入れましょう。
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